芝生の上のサッカー雑記帳

サッカーについて語ります 芝生の上でのサッカーが好きです

2015/01/17 スウォンジー対チェルシー感想

スウォンジー、縦パスからのバックパスを用いた前進

 

この試合、スウォンジーはまず前線に縦パスを入れて相手をリトリートさせ、パスをもらう選手は下がりながら後ろを向いた状態でダイレクトでバックパスし、相手のリトリートによってフリーになった1ライン低い味方にボールを渡し前進するという場面が頻繁に見られました。フリーになった選手はそこからサイド等に展開していました。48分にはこのパターンを2回繰り返して前進するシーンも見られました。

 


スウォンジーのパス回しのアクセントになるFWゴミスのキープ

 

パス回しを得意とするスウォンジーの中にあって、FWのゴミスのフィジカルを活かしたキープは良いアクセントになっていました。24分には縦パスを受け、キープからシュートに持ち込んでいました。また、上述の縦パスを返す役割もこなし、チームの攻撃の構成も担っていました。縦パスを返す役目をこなし、前線で体をはったキープもでき、そこからシュートに持ち込める貴重な戦力といえるでしょう。

 


チェルシーGKにチェルシーの左サイドに蹴らせるスウォンジーのディフェンス

 

この試合、スウォンジーFWゴミスはチェルシーGKチェフに対してチェルシーの右サイドを切る場面が22、24、50分に見られました。これは、チェルシーの右サイドが左サイドより競り合いに強いためと考えられます。

 


スウォンジーDFラインでのパス回しの成功

 

スウォンジーCB2人に対しチェルシーは1人または2人でプレスをかけていました。チェルシーのプレスが2人になった場合にはスウォンジーのMFがDFラインの中央に下がってパス回しに参加することでプレスを回避していました。

 


チェルシーMFのスライド

 

7分チェルシー左サイド、チェルシーSBフェリペルイスとOMFアザールの間のスペースを突かれるシーンがありました。チェルシーMF陣は左DMFのセスクファブレガスがこのスペースをカバーに行き、右DMFマティッチはスライド、右OMFのウィリアンもスライドしてDMFのラインの高さでピッチ中央に下がっていました。この試合、チェルシーはリトリートで守る場面がよく見られましたが、それはこのOMFのスライドの時間を稼ぐためなのだと思います。

 


チェルシーの攻撃の幅と深さ

 

この試合、チェルシーの攻撃は左右非対称ながらも上手く幅と深さを作っていました。前半、右サイドでは右SBのイバノビッチが幅を作り、左サイドでは左OMFアザールが幅を作っていました。後半はイバノビッチが幅を作る機会は減り、どちらかというと左サイドで左SBのフェリペルイスが幅を作っていました。深さを作っていたのは前後半通してFWジエゴコスタでした。ジエゴコスタはサイドまたは中央で相手DFと同じ高さを取ってDFラインを押し下げ深さを作っていました。この幅と深さを使った攻撃が実ったのが19分でした。まず、相手バイタルエリア低めでセスクがフリーでボールを受けます。相手DMFはフリーのセスクに詰めますがセスクは中へ入ってきた右OMFウィリアンへパス。このとき中へ入ってきたウィリアンにスウォンジー左SBがついていけなかったのはチェルシー右SBイバノビッチが外から上がってきたからでした。ウィリアンは斜め前の中央にいる中OMFオスカルへダイレクトパス。オスカルは上がってきたセスクにダイレクトで左横へパス。セスクはダイレクトでスウォンジー右SBと右CB間のスペースのFWジエゴコスタへ。ジエゴコスタはGKとの1対1を決めてゴール。このときスウォンジー右SBと右CBの間にスペースができていたのはスウォンジー右SBの外にチェルシー左OMFアザールがいたからでした。戦術と技術の両方による鮮やかなゴールでした。

 


・相手DFとGKの両方を見ていたチェルシーFWジエゴコスタ

 

33分のスウォンジーDFからGKへのバックパスをカットして決めたジエゴコスタのゴールですが、これはジエゴコスタがDFとGKの両方を見ていたからで、偶然ではないと思います。7分にも同様にDFとGKの両方をジエゴコスタが見ているというシーンがありました。ゴールを決められる上に深さを作れて守備も上手いFWはチェルシーにはぴったりの存在だと思います。